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著作権

米連邦地裁、Instagram投稿のWebページ埋め込みにコンテンツ所有者から直接許可を受ける必要はないと判断

タレコミ by headless
headless 曰く、

米国・ニューヨーク南部地区連邦地裁のKimba M. Wood判事は13日、著作権者がInstagramで公開した写真をWebページに埋め込む行為について、コンテンツ所有者から直接許可を受けていなくても著作権侵害にならないとの判断を示した(裁判所文書: PDFThe Vergeの記事Ars Technicaの記事)。

この裁判はInstagramで公開した写真を無断で記事に使用されたとして、報道写真家のStephanie Sinclair氏が写真の削除と損害賠償の支払いを求めて2018年にMashableと親会社のZiff Davisを訴えていた(PDF)ものだ。問題となったのは2016年にMashableのWebサイトに掲載された記事で、Mashable側は当初Sinclair氏に50ドルのライセンス料を提示したが断られ、Sinclair氏のInstagram投稿を埋め込む形で写真を使用した。なお、現在Sinclair氏のInstagramアカウントは非公開になっており、Mashableの記事からも埋め込みコードは削除されている。

従来、こういったケースでは「Server Test」と呼ばれる「第三者のサーバーに保存された写真をWebページに表示しても、Webページ側は著作者の展示する権利を侵害しない」という、第9巡回区控訴裁判所の2007年判例に従って判断されていた。しかし、2018年にはニューヨーク南部地区連邦地裁の別の判事がデータの保存場所にかかわらず、無断で写真を掲載すれば展示する権利の侵害になるとの判断を示すなど状況は変わりつつあるようだ。

今回、Mashable側はServer Testではなく、Instagramの利用規約に注目。利用規約では利用者がアップロードしたコンテンツについて、サブライセンス可能なライセンスをInstagramに付与すると明記されている。Instagramのプライバシーポリシーでは利用者が公開したコンテンツについて、InstagramのAPIを通じて利用可能になると記載されており、Webページへの埋め込みInstagramのAPIを使用したものだ。そのため、埋め込みによるコンテンツの利用はInstagramから有効なサブライセンスを受けており、著作権侵害には相当しないと主張していた。

一方、原告側は直接のライセンスを断られたMashableがInstagramからサブライセンスを受けることはできない、Instagramの利用規約とポリシーは複雑で異なる解釈も可能であり、その意味するところは公知の事実とはいえない、などと反論したが、すべて有効な主張とは認められず、Mashableの取得したサブライセンスは有効と判断された。判事はZiff DavisがMashableの著作権侵害にかかわったという原告側の主張も認めず、原告側の請求をすべて棄却した。

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