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サイエンス

「Non-GMO」表示をめぐって訴えられていた米ファーストフードチェーンChipotle、650万ドルの支払いで和解

タレコミ by headless
headless 曰く、

米ファーストフードチェーンChipotle Mexican Grillは2015年のキャンペーンで消費者をだますような表示をしたとして訴えられていたのだが、650万ドルを支払うことで和解したそうだ( FOODBEASTの記事The National Law Reviewの記事Top Class Actionsの記事 )。

Chipotleが2015年に実施したNon-GMOキャンペーンでは、米ファーストフードチェーンで初めて遺伝子組み換え生物 (GMO) を原料から排除したなどとして成功をおさめた。しかし、GMO飼料で育てた家畜・家禽の肉、GMO飼料で育てた乳牛の乳を使用した乳製品、GMOトウモロコシから作ったコーンシロップを含むコカ・コーラやスプライト、といったGMOフリーではない食品をChipotleは提供しており、これらの情報を客に知らせずにNon-GMOと宣伝していたことが消費者をだます行為だとして訴えられることになる(訴状: PDF)。

北米では遺伝子組み換え原料を使用しない食品の多くに「Non-GMO」ラベルが添付されているが、これは米非営利組織Non-GMO Projectが認証し、食品メーカーが自主的に添付しているもので、表示基準が法制化されているわけではない。しかし原告側は、「食肉用の家畜は生まれた時からNon-GMO飼料のみを食べている」といったNon-GMO Projectの基準が消費者に広く受け入れられていると主張していた。なお、米国で家畜や家禽の飼料はほとんどが遺伝子組み換え作物であり、特別に育てない限り食肉で基準を満たすのは難しい。

なお、米食品医薬品局(FDA)では「genetically modified (GM)」「genetically modified organism (GMO)」といった用語を使用せず、「genetically engineered (GE)」「bioengineered (BE)」といった用語を使用している。また、遺伝子組み換え原料の混入を完全に防ぐことは不可能なことから「GM Free」「GE Free」「Non-GMO」といった表示をしないよう推奨しており、遺伝子組み換え原料を使用しないことでより安全だという印象を消費者に与えるならミスリーディングだとも指摘している(FDAのガイダンス: PDF)。

この訴訟はクラスアクションとして認定されており、和解の成立により2015年4月27日~2016年6月30日にChipotleで食品を購入した米国在住者は1食あたり2ドル、購入の証拠がない場合は最大5食分、証拠がある場合は最大10食分、1世帯当たり最大15食分を受け取ることができる。クラスを代表した4名は各5,000ドルを受け取るほか、弁護団は弁護費用196万ドル、諸経費最大65万ドルを受け取ることになる。

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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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