Medtronicのインスリンポンプ、近距離から認証なしにインスリン投与を無線制御可能な脆弱性
タレコミ by headless
headless 曰く、
Medtronicのインスリンポンプで近距離から認証なく無線アクセス可能な脆弱性(CVE-2019-10964)が見つかり、米国ではリコールが行われている(Medtronicのお知らせ、 ICSMA-19-178-01、 The Registerの記事、 SlashGearの記事)。
対象となるMiniMed 508およびMiniMed Paradigmでは無線を使用して血糖値モニターなどに接続する機能が搭載されているが、適切な認証の仕組みが実装されていない。攻撃者は脆弱性を悪用することで、近距離から無線アクセスして設定変更やインスリン投与の制御が可能になる。インスリンが過剰に投与されれば低血糖症、インスリン投与量が不足すれば高血糖症や糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こす可能性がある。
米国内で利用する患者および医療関係者に対しては脆弱性のない製品への交換が呼びかけられており、米国外の利用者に対しては各国・地域に合わせた手順を含む通知が送られるとのこと。一部の機種では特定のソフトウェアバージョンにのみ脆弱性が存在するものの、ソフトウェア更新では対応できないようだ。
このほか、すべての利用者に対し、インスリンポンプ及び接続した機器を常に制御下に置くこと、シリアル番号を他人に知らせないこと、ポンプからの通知や警告に注意を払うこと、意図しない投与はすぐキャンセルすること、などの対策が推奨されている。
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