アカウント名:
パスワード:
現在iPhoneが利益に結びついていないからと行って、将来利益に結びつかないと結論付けることは出来ません。かつてドコモがFOMAを導入しようとしていた2000年代初頭、端末開発に多大な出費をしながら収入に殆ど反映していない時期がありました。しかし、かつての端末への投資が無ければ、今FOMAで得られている世界最高のデータARPUを得ることは出来なかったでしょう。
欧州ではローミングが重要視されていたことや、通信キャリアと端末メーカとの関係が日本と異なっていたことから、日本のような垂直統合ビジネスモデルを構築することが出来ず、3Gによる高速データ通信を消
欧州ではローミングが重要視されていたことや、通信キャリアと端末メーカとの関係が日本と異なっていたことから、日本のような垂直統合ビジネスモデルを構築することが出来ず、3Gによる高速データ通信を消費者の便益(≒キャリアの収入)に変える方法が見つかっていませんでした。 そのため、3Gネットワークへの投資が行われなかったわけです。
“周波数はビジネス”~電波を巡る各国の思惑 [itmedia.co.jp]が参考になると思いますが、 周波数獲得のオークションが高騰して、携帯電話事業者が疲弊したというのもあると思います。
最近も何度かコメントしていますが、オークションと新技術の普及には殆ど関係がないと思うのですが。 http://srad.jp/comments.pl?sid=463529&cid=1627015 [srad.jp] http://srad.jp/comments.pl?sid=463529&cid=1627001 [srad.jp]
自分の理解では、電波周波数のオークションは企業利益を政府が徴収するため、政府は賛成、企業は反対、入札額は企業行動に影響を与えないため利用者には無関係、というものです。NTTとの関係を重視する役人やロビイングを受けた政治家はオークションに反対するかもしれませんが、基本的な利得構造は↑のようになるでしょう。私は企業の投資行動やオークションのメカニズムの専門家ではないのですが、その分
sagekenさんはたれ込みの論調やオークションの落札額が高騰した事が投資が出来なかった原因とお考えのようですね。 それはつまり企業が利潤を得て内部資金を用いなければ投資が出来ないと考えている事の系としてそのような見解をお持ちなのでしょう。
高騰したのも原因の一つだとは思いますが、それだけだとは思わないです。 海外でiモードを導入したキャリアなんかもそうだったりするのですが、3Gのデータ料金を安くしすぎて、 収益性を下げてしまった事などもあると思います。これが一番大きな理由かと思ってます。
sagekenさん同様、夏野氏が著書の中でパケット価格を低くしすぎたことが良くなかったと記していますね。ところで、価格がどの様に定まるとお考えでしょうか?価格の決定メカニズムまで目を伸ばして考えてみると、パケット通信の料金が低い水準で安定してしまったのは、パケット通信の価値を高くするようなサービスを合わせて提供できなかったことが原因だと考えることが出来ます。価格の費用に対するマージンは需要の程度や競争の激しさによって定まるもので、需要の程度は消費者パケット通信の価値、競争の程度は概ね参入企業数によって定まると考えて良いでしょう。参入企業数は政府が免許発行数を設定した時点で決まりますから、企業の戦略としてコントロールしうるのは需要の程度になります。
ユーザがパケット通信に対して高い価値を感じていればパケット料金は高い水準で安定し、たいした価値を感じられなければパケット料金は低い水準で安定します。欧州、米国の通信キャリアは日本の携帯キャリアのように使い勝手の良いデータ通信プラットフォームを構築することが出来ず、ユーザに対して高い価値のあるコンテンツサービスを提供することが出来なかったため、パケット通信料金は低い水準で安定してしまったのではないでしょうか。
需要の程度以外の価格を決定する外的要因があり、それによる価格水準が3Gの普及ペースを決定づけたという仮説を検証するのであれば、参入企業数の多い国と少ない国を比較してみるのが良いでしょう。地域や所得、規制などのコントロールができている欧州にて参入の多い国と参入の少ない国を比較すれば、参入数と3Gの普及のペースにはあまり関係が無いと言えそうです。
従って、日本が欧米に比べて3Gの普及が早かったのは、需要を作り出すことが出来たからだと言えるのではないでしょうか。
# イノベーションを引き起こすのが需要なのか、それとも供給なのかというのは経済学において結構興味深い問題です。# 2Gの普及については異なる技術が並立していた国にて普及が早かったという論文があり、その論文では競争は新技術の普及を促すと結論づけられています。# これも俗流国際競争力論者の主張と食い違っていたりします。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs
投資と収入のタイミング (スコア:2, 興味深い)
現在iPhoneが利益に結びついていないからと行って、将来利益に結びつかないと結論付けることは出来ません。
かつてドコモがFOMAを導入しようとしていた2000年代初頭、端末開発に多大な出費をしながら収入に殆ど反映していない時期がありました。
しかし、かつての端末への投資が無ければ、今FOMAで得られている世界最高のデータARPUを得ることは出来なかったでしょう。
欧州ではローミングが重要視されていたことや、通信キャリアと端末メーカとの関係が日本と異なっていたことから、日本のような垂直統合ビジネスモデルを構築することが出来ず、3Gによる高速データ通信を消
欧米で3Gへの投資が遅れた理由 (スコア:1)
“周波数はビジネス”~電波を巡る各国の思惑 [itmedia.co.jp]が参考になると思いますが、 周波数獲得のオークションが高騰して、携帯電話事業者が疲弊したというのもあると思います。
/.はログインすると色々できます by Dポ研。 [twitter.com]
Re: (スコア:1)
最近も何度かコメントしていますが、オークションと新技術の普及には殆ど関係がないと思うのですが。
http://srad.jp/comments.pl?sid=463529&cid=1627015 [srad.jp]
http://srad.jp/comments.pl?sid=463529&cid=1627001 [srad.jp]
自分の理解では、電波周波数のオークションは企業利益を政府が徴収するため、政府は賛成、企業は反対、入札額は企業行動に影響を与えないため利用者には無関係、というものです。
NTTとの関係を重視する役人やロビイングを受けた政治家はオークションに反対するかもしれませんが、基本的な利得構造は↑のようになるでしょう。
私は企業の投資行動やオークションのメカニズムの専門家ではないのですが、その分
Re: (スコア:1)
高騰したのも原因の一つだとは思いますが、それだけだとは思わないです。 海外でiモードを導入したキャリアなんかもそうだったりするのですが、3Gのデータ料金を安くしすぎて、 収益性を下げてしまった事などもあると思います。これが一番大きな理由かと思ってます。
/.はログインすると色々できます by Dポ研。 [twitter.com]
Re:欧米で3Gへの投資が遅れた理由 (スコア:1)
sagekenさん同様、夏野氏が著書の中でパケット価格を低くしすぎたことが良くなかったと記していますね。
ところで、価格がどの様に定まるとお考えでしょうか?
価格の決定メカニズムまで目を伸ばして考えてみると、パケット通信の料金が低い水準で安定してしまったのは、パケット通信の価値を高くするようなサービスを合わせて提供できなかったことが原因だと考えることが出来ます。
価格の費用に対するマージンは需要の程度や競争の激しさによって定まるもので、需要の程度は消費者パケット通信の価値、競争の程度は概ね参入企業数によって定まると考えて良いでしょう。
参入企業数は政府が免許発行数を設定した時点で決まりますから、企業の戦略としてコントロールしうるのは需要の程度になります。
ユーザがパケット通信に対して高い価値を感じていればパケット料金は高い水準で安定し、たいした価値を感じられなければパケット料金は低い水準で安定します。
欧州、米国の通信キャリアは日本の携帯キャリアのように使い勝手の良いデータ通信プラットフォームを構築することが出来ず、ユーザに対して高い価値のあるコンテンツサービスを提供することが出来なかったため、パケット通信料金は低い水準で安定してしまったのではないでしょうか。
需要の程度以外の価格を決定する外的要因があり、それによる価格水準が3Gの普及ペースを決定づけたという仮説を検証するのであれば、参入企業数の多い国と少ない国を比較してみるのが良いでしょう。
地域や所得、規制などのコントロールができている欧州にて参入の多い国と参入の少ない国を比較すれば、参入数と3Gの普及のペースにはあまり関係が無いと言えそうです。
従って、日本が欧米に比べて3Gの普及が早かったのは、需要を作り出すことが出来たからだと言えるのではないでしょうか。
# イノベーションを引き起こすのが需要なのか、それとも供給なのかというのは経済学において結構興味深い問題です。
# 2Gの普及については異なる技術が並立していた国にて普及が早かったという論文があり、その論文では競争は新技術の普及を促すと結論づけられています。
# これも俗流国際競争力論者の主張と食い違っていたりします。