2001年開設の老舗電子書籍ストア「PDABOOK」がサービス終了 21
DRMフリーで良かった 部門より
モバイルブック・ジェーピー(MBJ)が、自社が運営する電子書籍ストアの「PDABOOK」を11月30日17時をもって終了することを発表した(サービス終了のおしらせ、INTERNET Watch)。
PDABOOKはミュージック・シーオー・ジェーピー(現 エムティーアイ)により2001年12月1日にオープン。サイト名にPDAとあるように、当初は今はなきPocket PC(後のWindows Mobile)や、Windows CE(現 Windows Embedded Compact)向けの電子書籍ストアだった。
後にPalm、Zaurus、Handheld PCやWindows、Macにも対応し、2005年には運営会社がスピンアウト。その後、スマートフォンの爆発的普及やそれに伴うPDAというジャンル自体の衰退、およびAmazonのKindle登場を契機とした電子書籍の本格的普及という激変の中で、ほそぼそと運営が続けられていた。電子書籍のフォーマットも世界的にEPUB、およびEPUBベースのフォーマットへの移行が進む中で、同サービスは最後までドットブック、XMDF、およびPDF形式での配信を行っていた。
同社はWindowsとAndroid、iOSに対応する電子書籍ストア「どこでも読書」も運営しているが、そちらへの引き継ぎは行われず、12月7日をもって購入した書籍は再ダウンロード不可になる。なおDRMフリーのサービスのため、ダウンロードしてあればサービス終了後も閲覧は引き続き可能。
同サービスは「電子書籍」というものが非常にマニアックかつニッチな存在であった2000年代初頭より存在するサービスであり、まだあったのかという驚きとともにサービス終了には感慨深いものがある。
再ダウンロード不可は通常通り 他、補足とか (スコア:4, 参考になる)
12月7日を持って再ダウンロード不可、と報じられているますが、元々DRMフリーである事もあり、従来から再ダウンロード期間は購入後7日間だったので、最後の最後も通常通りという事です。
たれ込みにもあるけど、DRMフリーで販売されているため、通常の印刷された本の販売と同じくダウンロードしたファイルを普通に保存さえしておけば半永久的に読むことができます。見てみるとわかりますが、思ったよりもたくさんの本がDRMフリーで販売されていることがわかると思います。今まで使ったことが無かった人も、この機会にDRMフリー形式で入手しておきたい本などあれば、見ておく価値はあるかと。
Androidなどの専用アプリは無いのだけれど、実は紀伊國屋書店のKinoppyやSONY Reader StoreのアプリはDRMフリーのXMDFや.bookを読むことができるので、実際には不便はありません。
また、どこでも読書が出ていますが、日本電子書籍出版協会が運営している直営サイト、電子文庫パブリ [paburi.com]というサイトがありますが、ここの実質的な運営はこのモバイルブックJP社が実施していますので、こちらも事実上の後継サイトです。ただし、こちらはDRM有りですので、代替にはなりませんが…。
(ちなみに、地味にSONY Readerに対応していたり、決済方法は主要なものがそろっているなど、電子文庫パブリのサイトは結構完成度が高いです)
モバイルブックJP社は、出版社が共同で出資した企業です。すでに電子書籍の仲卸業と、ビューアなどの商品基盤販売が主要な事業になっていると思われますが、もし、共同でDRMや本棚共有などがなされる場合、キーになる可能性のある企業の一つだと思いますので、興味がある人は名前を覚えておくといいかもしれません。
Re:再ダウンロード不可は通常通り 他、補足とか (スコア:1)
一時期はxmdfファイルを読む手段が普通に公開されてなくて難儀したんですが
2012年頃から紀伊國屋書店のKinoppyで読めるようになったので助かりました。
Kinoopyに登録したxmdfファイルをDropbox連携機能を使ってdropboxにアップロードすると
同じアカウントでログインしたKinippy間でデータ連携ができるようになるので
Kinoppyで購入した書籍と同じような扱いができるようになる、というのが特に便利です
Re:再ダウンロード不可は通常通り 他、補足とか (スコア:1)
イニシエのNifty Serve時代にひっそりと電子書籍(ただのテキストファイル)が売られていて。
当時数冊買ってモバイルなノートPCの片隅に入れて時々読んでたけど、いつの間にかサービス終わってたのを思い出した。
その後いろんなPDAデバイスに転々と入れていって未だにスマホのSDがカードにも入れたまま。
何度か入院した時にも読んでたっけ。
#もう数年読んでないけど。
Re: (スコア:0)
昔、同じく単なるTXTファイルの電子書籍(睦月影朗とか館淳一とか)を購入したのがHDの片隅に。
(「おとなの本屋さん」だったかな?)
Re: (スコア:0)
ある時期を境にSony Readerで.bookを読めなくなったのが利用しなくなったきっかけ。
思っていたより良さそうなサービスだった (スコア:0)
スマホの普及についていけなくて時代遅れになったblackbellyと似たような最期かな?
Re: (スコア:0)
英語わからないならカタカナで書けばいいのに...
Re: (スコア:0)
日本でも英字表記で売られてる商品名だから、
英語わからないからってカタカナにするのはいかがなものか。
名前もろくに知らないくらいなら黙ってりゃいいのに、とは思うけど。
また一つ、DRMを避けるべき理由が… (スコア:0)
と思ったら、DRMフリーのサービスだったんですね。
DRMフリーが当然のサービスになるまでどうにか生き残って欲しかった。
Re:また一つ、DRMを避けるべき理由が… (スコア:1)
DRMフリーの安心感。
DRMついてたら「おいおい、ふざけんな。買った本どうしてくれんだよ!」になってただろうけど、
フリーだと「お疲れちゃ〜ん」と軽く受け止められるのは大きい。
世のすべての電子書店がDRMフリーで売ってくれるといいんだけどな。
そうすりゃ、本当好きな書店で買えるのに。
Re: (スコア:0)
逆に考えるんだ。
「DRMフリーのサービスだから死んじゃった」と考えるんだ。
Re: (スコア:0)
普通に電子書籍仲卸業に専念するんで
顧客と競合するサイトは閉じると言うだけだと思うけど
こんなの合ったんだ (スコア:0)
ITに出版社名がPHP研究所だからなのか、関係無いのが混入しているのが気になる
いくらDRMフリーでも今更XMDF、ドットブックはなぁ (スコア:0)
シャープ、ボイジャーともやめるとは言っていないが、実際多くの出版社がEPUBに移行してるし、ブンコビューアはアップデート止まってるわ、ボイジャーはEPUB3 / KF8制作サービスが主力事業になってるわでもう実質死んでるフォーマットだよね
電子書籍交換フォーマットなんて結局作っても誰も使わなかったわけだ
# フランス書院さん、いい加減電子書籍をXMDFで売るのやめようよ
Re:いくらDRMフリーでも今更XMDF、ドットブックはなぁ (スコア:2, 参考になる)
よくある電子書籍ユーザでは無い人間の典型的な知ったかぶりですが、あえて釣られましょう。
実際多くの出版社がEPUBに移行してるし
コミックはともかく書籍はXMDFが多いよ。普通に有利だから。
本当に電子書籍を利用している人なら体感していると思うけど、XMDFは非常に完成度が高くて、観覧もePUBより確実に軽い。一番体感できるのは、ページ数の多いリフロー書籍で、読めるようになるまでの時間な。
あと、一番使われている電子書籍の流通フォーマットはXMDFベースのものだよね。
ブンコビューアはアップデート止まってる
安定していることに何か問題でも?
アップデートの頻度が大きいことがよいことと言うのはちょっと。本を読む人は別にソフトウエアのタイムスタンプが新しいことを望んでいるわけではありません。
電子書籍交換フォーマットなんて結局作っても誰も使わなかった
思いっきり使われてますけど、どこの世界の話をしていますか?コミックだけ?
たとえば、KoboやAmazon Kindleでは、XMDF系の中間フォーマットで納入がされていること、知っていますか?
フランス書院さん、いい加減電子書籍をXMDFで売るのやめようよ
フランス書院のXMDFはDRMがないXMDFですが、正確にはXMDFは広義のDRMが無いわけではなく、最近欧州を中心に広まり始めている、記名式DRMです。
販売されるXMDFファイルには、個別のIDが埋め込まれていて、何者かが流出させた場合でも誰に販売したものかがわかります。ただこれは普通に使っている限りは関係が無いので、DRMによる制限を受けることはありません。
これを実現できている日本語ソリューションはXMDFだけです。
そうでない場合には、客は泥棒であるという事を前提とした未熟なDRMを採用しなければなりませんが、フランス書院は古くから(パソコン通信の時代から)電子書籍販売を行っていて、その経験上、これで必要にして十分であり、囲い込み戦略などに乗って無駄なコストを払う必要が無いと十分にわかっているわけです。
読者は新刊本は望んでいますが、今より劣っている新システムをほしがっているわけでは無い、とよくわかって実践しているわけです。
これは使ってみればすぐにわかることなのですが、あなた、使ったこと無いのではありませんか?
Re: (スコア:0)
>コミックはともかく書籍はXMDFが多いよ。普通に有利だから。
どこの平行世界の話なんでしょうかね。フォーマットがストアページで見られるBookLive!やReader Storeを見ても、新刊は殆どEPUBで配信されているようですが。
>KoboやAmazon Kindleでは、XMDF系の中間フォーマットで納入がされていること、
今時は電書協のEPUB3 制作ガイド仕様に準拠した仕様が"業界標準"ですよ。カドカワの「KADOKAWA-EPUB 制作仕様」のような電書協ベースに拡張した独自の制作仕様もありますしね。
>これを実現できている日本語ソリューションはXMDFだけ
ソーシャルDRMはEPUBでも実現できますが、何か?Kindleにもウォーターマークが実装されていることも知らないんですか?
この通り突っ込みどころ満載でした。XMDF工作員さん、もう少し勉強してください。
Re: (スコア:0)
>今時は電書協のEPUB3 制作ガイド仕様に準拠した仕様が"業界標準"ですよ
ん?それは完成品のフォーマットの話では。
中間フォーマットの話じゃ無いの?
>ソーシャルDRMはEPUBでも実現できますが、何か?
名前を入れたらソーシャルDRMである、というのは事実誤認。そりゃま善意によっているのならそれでも十分ではあるんだが、フランス書院のようなエロコンテンツだと簡単に外せてしまうのは耐えない。
そこで、XMDFはフォーマットが非公開なのだが、それを生かして内部的に暗号化してあるので、ユーザ側でIDを取り除くのは原則不可能だよ。たとえば同じコンテンツを2つ買ってきて、中身の差分をとる、といったような雑な方法では外すことができない。
あと、工作員認定はやめた方がいいよ
自分が利害関係者で強弁してるのと同じように、利害関係者が他にもいるかもしれない、と告白しているようなもんだから。
Re: (スコア:0)
> コミックはともかく書籍はXMDFが多いよ
去年ぐらいまではそうだったかもしれない。
でも、紀伊國屋書店の電子書籍ベストセラーを見てみると、伊坂幸太郎の最新刊(2015年)がEPUBで、それにつられて売れてる既刊本(2014年)がXMDF。
祥伝社はつい最近EPUBに移行したってことだ。中公も小学館もEPUB。
Re: (スコア:0)
> XMDFは非常に完成度が高くて、観覧もePUBより確実に軽い。
それは規格というより実装の問題では?
電書協仕様のEPUBは日本語組版で使われるであろう機能をすべて想定した重厚長大なCSSが用意されている、故に重い
もっとも、問題の根元は仕様に対してビューア側の実装が追いついていないことにあるのだが
特に欧米製ビューアはADEしかりReadiumしかり、日本語対応はまだまだ不完全だね、Readiumは結構頑張ってはいるんだが
EPUBビューア (スコア:0)
EPUBは電書協仕様が公表されてからやっとこさスタンダードになった感じがあります。
XMDFからのコンバートの案件は触ったことがないですが、XMDFがサポートされないようになってきたらそういう案件も出てきそうですね。
>もっとも、問題の根元は仕様に対してビューア側の実装が追いついていないことにあるのだが
EPUBを読ませる各書店のビューアはそれぞれの会社さんでかなり挙動が違うので、制作サイドでは「1つのファイルで全部やれ」という事になるのですが、電書協仕様でバグる処はバッドノウハウ駆使して各社でまんべんなく動くように何とかしろという感じ
Re: (スコア:0)
日本語組版でまともに使えるのはFUSEe [fusee.jp]くらいですかね、高いですけど…
フリーのSigil [sigil-ebook.com]もやっとEPUB 3に正式対応できそうだ、ってところまで来ましたが
あと、InDesignのEPUB書き出しがCC 2014.1で結構まともになったらしいので、Adobe CCあるならそれもありかも。使ったことないけど
# でも最後はやっぱりEpubCheck [github.com]が待ってるんですよね…