米政府、今度はノートPCを旅客機の預入手荷物に入れないよう求める 42
持込 部門より
FAAでは満充電のノートPCを入れたスーツケースを用い、10種類のテストを実施。ヒーターでバッテリーが熱暴走するまで加熱してバッテリーの過熱状態を再現している。ドライシャンプーのスプレー缶(預入手荷物に入れることが認められている)をノートPCにくくり付けたテストでは、ほぼ瞬時に発火して燃え広がり、缶は40秒以内に爆発したそうだ。
このケースでは火の回りが速く、スプレー缶が爆発する前に消火システムが動作しなかったという。爆発は機体にダメージを与えるほどではないが、貨物室にダメージを与えるには十分であり、消火システムのハロンガスが抜けて消火できなくなる可能性もある。また、預入手荷物に入れることが認められているマニキュアリムーバーやハンドサニタイザーなどと組み合わせたテストでは、爆発はしなかったものの火が大きく燃え広がったとのこと。
FAAはテスト結果を踏まえ、航空会社が許可しない限り乗客が大型のパーソナル電子機器を預入手荷物に入れることは認められるべきではないと述べているそうだ。この提案には欧州航空安全局(EASA)やエアバスなどが賛同しているという。ただし、FAAによればスマートフォンよりも大きなパーソナル電子機器はほとんどが機内に持ち込まれているとのことで、預入を禁止しても大きな影響はなさそうだ。
米国ではこの春、中東から米国への直行便でスマートフォンよりも大きなパーソナル電子機器の機内持込を禁止し、預入手荷物に入れるよう求めていた。持込制限は7月に終了しているが、EASAはリチウム電池を含む機器を機内持込にすることが望ましいと述べていた。