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2003年といえば、つい10年前だけど、結構影響受けてる。IEC60601-1-2:1993年版(1版)→2001年版(2版)への移行期間 [kyoto.lg.jp]あたりとはいえ、この頃の医療機器は、意外に今でも使われていたりするので、要注意だろう。
電波の医療機器等への影響に関する調査2014年(PDF) [soumu.go.jp]では、IEC60601-1-2:2014年版(4版)の話題や、たしかに影響受けにくく(影響出ているものはある)なっているという結果も付いていた。
携帯電話のME機器への影響について2003年 [cannula.jp]>1,輸液ポンプテルモ社ポンプは本体に電話を付けた状態でも異常は発生しなかった.日本光電ポンプは8cm以内に近づけると滴下センサーが異常反応し流量異常警報が発生,輸液は停止した. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)※流量異常警報を解除し輸液を再開させなければならない.
>2,無線テレメーター3Fに新規に導入されたモニター(日本光電社ZB-910P)では携帯電話を3cm以内に近づけるとノイズが混入した.また,このノイズによりEXT.TACHY警報が発生することも確認された. 3F,4Fで使用されている旧型モニター(日本光電社ZB-811P)では携帯電話を5cm以内に近づけると,ノイズ混入と同時に電波切れ状態となり,心電図の監視は不可能となった. 新・旧モニターいずれも携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>3,体外式ペースメーカーCPI社,Intermedics社どちらの機種も,携帯電話を18cm以内に近づけるとオーバーセンス状態となり,ペーシング機能が抑制されることが確認された. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>4,ベットサイドモニター3Fに新規に導入されたベットサイドモニター(日本光電社WS-231P)では携帯電話を12cm以内に近づけるとノイズが混入した. 3F,4Fで使用されている旧型ベットサイドモニター(日本光電社ZB-811P)では携帯電話を15cm以内に近づけるとノイズが混入した. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>7,低圧持続吸引器携帯電話を20cm以内に近づけると吸引圧が2~10cmH2O上昇することが確認された. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>8,新型ナースコールシステム携帯電話を30cm以内に近づけるとナースセンター側で雑音が混入した.22cmでは雑音はさらに強くなるが会話は可能.密着した状態では患者側から言っている言葉が理解不能なほど雑音が増した. 特殊なことは,患者側では電話を密着させた状態でも雑音の混入は確認されず.ナースの言葉がはっきりと聞き取れることである. 電話の使用による誤作動はない(通信が完全にOFFになること,また勝手にONになること) 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
><結語>電磁障害を正確に把握する為には,実験環境や特殊機材が必要となるが,上記はあくまで当科で確認できる簡易的な実験の結果である. 他施設の報告を見ると,同種の機器で,当科実験と異なる結果も散見するが, 各結果から,体外式ペースメーカーの障害は危険度が高く特に注意を要する事がわかった. 各研究機関の指摘どおり携帯電話はME機器に様々な影響を与える.しかしそれは,機器の非常に近くで電話を使用した場合に限られる. 各報告により,植え込み式ペースメーカーが,最大干渉距離22cmと規定されている事からも,当科としても22cm以上の距離使用を安全の基準としたい. 基本的なマナーと,十分な距離を置くことが周知徹底されるのであれば,病棟個室及び家族控え室での携帯電話の部分開放に問題はないと考え,患者サービス委員会に今後の判断を委ねたい.
だいぶ議論を呼んでいるようなので、2014年PDFの方P.33-34とP.60だけ読むと良いでしょう。
まとめ、・①スマートフォン/タブレットで800MHz-WCDMAで、 わずかにペースメーカーに影響を与えたが(10年前に比べれば)軽微。・②ICUなどで使用される機器は今後確かめる必要がある(まだ判らない)。
②はわからないとは言え、①でほとんど影響が出ないことから、新しい機種は大丈夫だと思います。2003年のIEC60601-1-2:1993(1版)準拠の機種はさすがにきつい感じはします。
--->電波の医療機器等への影響に関する調査2014年(PDF) [soumu.go.jp]
P.33-34>最も遠く離れた位置で影響を受けた機種の距離 (換算距離)1.5cm (800MHz,W-CDMA: 250 mW、2.4/5GHz IEEE802.11n: 5 mW/MHz)また、2.4GHz 帯及び 5GHz 帯の無線 LAN 方式の電波のみを照射した場合には、3 機種とも影響の発生はなかった。これらのことから、この影響は 2 種類の電波の組合せによって起こる複合的な影響ではなく、800MHz帯の電波による影響が支配的であると考えられる。
P.60 おわりに>本年度の調査検討では、スマートフォンやタブレット端末等、複数の電波を同時に発射する機器を対象に、800MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯及び2GHz 帯のW-CDMA 方式の電波と、2.4GHz 帯及び 5GHz 帯の無線 LAN 規格の電波の複数の電波が植込み型心臓ペースメーカ等へ与える影響調査を行い、これらの電波が植込み型心臓ペースメーカ等に影響を与えないことを確認した。
>また、今後新たに調査対象とすべき医療機器として、一般環境でも利用され、「電磁環境の影響を受け易い医療機器」かつ「生命にかかわる医療機器」として「能動型医療機器」かつ「高度管理医療機器」に分類される植込み型医療機器、また、常時装着される装着型医療機器を対象に、調査の優先度付けを行った。
>この報告が、国民の電波に対する不安の軽減や安心して電波を利用できる電波環境の確保のために、「生体電磁環境に関する検討会」における検討に寄与できれば幸いである。
携帯電話といっても2Gと今のLTEでは電波出力が違う
同じことを思いました。
当該資料によると、使用端末はN503iとあるので、2Gでしょうね。2Gはもう停波してるということを考えると、この結果を現行の携帯端末にそのまま当てはめることはできないはずです。果たしてこの資料で試験された医療機器が、現行の3G/LTEな端末でどう反応するのか?あるいは、最新の医療機器だとどうなのか?気になりますね。
#でもこの資料は興味深いです。
せっかくの定量的な情報に定性的な反論って……
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
10年前の医療機器はだめだめ (スコア:5, 参考になる)
2003年といえば、つい10年前だけど、結構影響受けてる。
IEC60601-1-2:1993年版(1版)→2001年版(2版)への移行期間 [kyoto.lg.jp]あたりとはいえ、
この頃の医療機器は、意外に今でも使われていたりするので、要注意だろう。
電波の医療機器等への影響に関する調査2014年(PDF) [soumu.go.jp]では、IEC60601-1-2:2014年版(4版)の話題や、たしかに影響受けにくく(影響出ているものはある)なっているという結果も付いていた。
携帯電話のME機器への影響について2003年 [cannula.jp]
>1,輸液ポンプ
テルモ社ポンプは本体に電話を付けた状態でも異常は発生しなかった.日本光電ポンプは8cm以内に近づけると滴下センサーが異常反応し流量異常警報が発生,輸液は停止した. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
※流量異常警報を解除し輸液を再開させなければならない.
>2,無線テレメーター
3Fに新規に導入されたモニター(日本光電社ZB-910P)では携帯電話を3cm以内に近づけるとノイズが混入した.また,このノイズによりEXT.TACHY警報が発生することも確認された. 3F,4Fで使用されている旧型モニター(日本光電社ZB-811P)では携帯電話を5cm以内に近づけると,ノイズ混入と同時に電波切れ状態となり,心電図の監視は不可能となった. 新・旧モニターいずれも携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>3,体外式ペースメーカー
CPI社,Intermedics社どちらの機種も,携帯電話を18cm以内に近づけるとオーバーセンス状態となり,ペーシング機能が抑制されることが確認された. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>4,ベットサイドモニター
3Fに新規に導入されたベットサイドモニター(日本光電社WS-231P)では携帯電話を12cm以内に近づけるとノイズが混入した. 3F,4Fで使用されている旧型ベットサイドモニター(日本光電社ZB-811P)では携帯電話を15cm以内に近づけるとノイズが混入した. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>7,低圧持続吸引器
携帯電話を20cm以内に近づけると吸引圧が2~10cmH2O上昇することが確認された. 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
>8,新型ナースコールシステム
携帯電話を30cm以内に近づけるとナースセンター側で雑音が混入した.22cmでは雑音はさらに強くなるが会話は可能.密着した状態では患者側から言っている言葉が理解不能なほど雑音が増した. 特殊なことは,患者側では電話を密着させた状態でも雑音の混入は確認されず.ナースの言葉がはっきりと聞き取れることである. 電話の使用による誤作動はない(通信が完全にOFFになること,また勝手にONになること) 携帯電話を遠ざけると自動的に正常な状態に戻る.(可逆的反応)
><結語>
電磁障害を正確に把握する為には,実験環境や特殊機材が必要となるが,上記はあくまで当科で確認できる簡易的な実験の結果である. 他施設の報告を見ると,同種の機器で,当科実験と異なる結果も散見するが, 各結果から,体外式ペースメーカーの障害は危険度が高く特に注意を要する事がわかった. 各研究機関の指摘どおり携帯電話はME機器に様々な影響を与える.しかしそれは,機器の非常に近くで電話を使用した場合に限られる. 各報告により,植え込み式ペースメーカーが,最大干渉距離22cmと規定されている事からも,当科としても22cm以上の距離使用を安全の基準としたい. 基本的なマナーと,十分な距離を置くことが周知徹底されるのであれば,病棟個室及び家族控え室での携帯電話の部分開放に問題はないと考え,患者サービス委員会に今後の判断を委ねたい.
定量的評価 800MHz,W-CDMA: 250 mW、2.4/5GHz Wifi: 5mW/MHz (スコア:5, 参考になる)
だいぶ議論を呼んでいるようなので、
2014年PDFの方P.33-34とP.60だけ読むと良いでしょう。
まとめ、
・①スマートフォン/タブレットで800MHz-WCDMAで、
わずかにペースメーカーに影響を与えたが(10年前に比べれば)軽微。
・②ICUなどで使用される機器は今後確かめる必要がある(まだ判らない)。
②はわからないとは言え、①でほとんど影響が出ないことから、
新しい機種は大丈夫だと思います。2003年のIEC60601-1-2:1993(1版)準拠の
機種はさすがにきつい感じはします。
---
>電波の医療機器等への影響に関する調査2014年(PDF) [soumu.go.jp]
P.33-34
>最も遠く離れた位置で影響を受けた機種の距離 (換算距離)
1.5cm (800MHz,W-CDMA: 250 mW、2.4/5GHz IEEE802.11n: 5 mW/MHz)
また、2.4GHz 帯及び 5GHz 帯の無線 LAN 方式の電波のみを照射
した場合には、3 機種とも影響の発生はなかった。これらのことから、この影響は 2 種類
の電波の組合せによって起こる複合的な影響ではなく、800MHz帯の電波による影響が支
配的であると考えられる。
P.60 おわりに
>本年度の調査検討では、スマートフォンやタブレット端末等、複数の電波を同時に発射す
る機器を対象に、800MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯及び2GHz 帯のW-CDMA 方式の電
波と、2.4GHz 帯及び 5GHz 帯の無線 LAN 規格の電波の複数の電波が植込み型心臓ペー
スメーカ等へ与える影響調査を行い、これらの電波が植込み型心臓ペースメーカ等に影響
を与えないことを確認した。
>また、今後新たに調査対象とすべき医療機器として、一般環境でも利用され、
「電磁環境の影響を受け易い医療機器」かつ「生命にかかわる医療機器」
として「能動型医療機器」かつ「高度管理医療機器」に分類される植込み型医療機器、ま
た、常時装着される装着型医療機器を対象に、調査の優先度付けを行った。
>この報告が、国民の電波に対する不安の軽減や安心して電波を利用できる電波環境の確
保のために、「生体電磁環境に関する検討会」における検討に寄与できれば幸いである。
Re: (スコア:0)
携帯電話といっても2Gと今のLTEでは電波出力が違う
Re: (スコア:0)
「上記問題も新たな問題も起きない」なのか
「上記問題は起きないが新たな問題が起きないか試験が必要だ」なのか
Re: (スコア:0)
同じことを思いました。
当該資料によると、使用端末はN503iとあるので、2Gでしょうね。
2Gはもう停波してるということを考えると、この結果を現行の携帯端末にそのまま当てはめることはできないはずです。
果たしてこの資料で試験された医療機器が、現行の3G/LTEな端末でどう反応するのか?
あるいは、最新の医療機器だとどうなのか?気になりますね。
#でもこの資料は興味深いです。
Re:10年前の医療機器はだめだめ (スコア:1)
既に使えない携帯電話のデータは余り意味がないですね。
Re: (スコア:0)
せっかくの定量的な情報に定性的な反論って……
Re: (スコア:0)