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一般の人がこれを買うとしたら、それは「本をより快適に読む」ために買うのだから、それには「自分が読みたい本が、電子書籍で利用可能な形で今後出てくるか」というのが一番考えるところ。データがなければ、数百ドルのただの板だもんね。
データ販売だと、当然現実世界に店舗をもつ本屋や、本の流通業者はお払い箱なので、反対するわな。出版社も生命線を握られている本屋や流通業者に喧嘩売るわけにはいかんので、データ出版はなかなか踏み出しにくい。ところがここにきて、一番の大口顧客であるamazonが、データで売ってくれといってきたら、そりゃもう心置きなくデータ出版に移れる
ソニーの電子ブックなんか、ハードウェアメーカーと出版社や印刷会社、書店が協力して制作、販売してたんだけど、もう、古い話だから若い人や電子出版に興味のない人は知らなくても仕方がないかな。出版社はメディアにはそれほど拘っていないことが多い。一番抵抗するのは中小の印刷所。中小印刷所は設備や印刷工を抱えていて、すぐには電子メディアに対応できない。ご老体の著者も冊子に拘る人がいる。
また、現状では冊子が先に出版されるので、最終的なデータは組版をした印刷会社が持っている。OCRで読み込んでも良いんだけど、そこまでするくらいなら、素直に印刷会社を絡めても良い気がする。
それと、オンラインでデータだけ売れば安くなってお得、みたいに考えている方がいるみたいだけど、小説などの一人で書く文学ならともかく、雑誌や辞典・事典、一部の専門書は編集者などのスタッフの仕事量が多いので、同じ感覚の値段付けだと出版できなくなる。ネットだと淘汰が激しいから、マイナーな分野の出版物は人の目に触れずに消えていく可能性も高い。
いや、だからソニーも松下も、もちろん出版側と協力してやろうとしたけど、積極的な協力を得られず、結局貧相なライブラリーしか揃えられなかったんで失敗したんでしょ。
少なくとも一部の版元はかなり積極的だったんじゃないですか。電子ブックやEPWINGの例であれば、岩波も三省堂も研究社も三修社も自由国民社も、海のものとも山のものとも付かない電子出版にかなりの初期投資をしているはずです。20年前のことですから、当然、メインフレーム上にオーサリングツールを構築して作業しているでしょうから。広辞苑の三版はたぶん、活字組みだから、新規に入力、校正しているでしょう。大辞林の初版は半分が活字組みだったかな。(たぶん、日外アソシエーツは社内に蓄積されたテキストデータ処理のノウハウと、適度な割り切りで、他社より安価に作っていたと思う)
当初のタイトルの価格設定が高すぎたから売れなかったとも考えられますが、それでも、ほとんどの版元はなかなか初期投資が回収できず、苦労したはずです。
それと、ラインナップが貧相でしたか? 記憶では電子ブックは250~300タイトルくらい発行されていましたが。確かに独和はクラ独だけ、仏和はクラ仏だけ、イタリア語もないし、そういう意味ではさみしいのですが。
文学系だと、エキスパンドブックだった新潮社の、「新潮社の百冊」や「~の文豪」シリーズがありましたが、それ以降は続きませんでしたね。やはり、版元が期待するほどには買ってもらえなかったのでしょうね。
しかし、ハードウェアメーカーや、版元、印刷所の台所事情をちょっと考えると、よく頑張っていたと思いますが。作ったら目の前で売れていくというような状態じゃなかったのですから。
数年間の販売期間の間、300タイトルしか提供されないと言う有様の、どこが豊富?本屋に入って300冊しか本が無かったらどう思う?その中に自分の欲しい本がどれだけ見つかると思う?
そのために数万円の端末に金を出す気になる?
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
本屋がやってるとこがミソ (スコア:3, すばらしい洞察)
一般の人がこれを買うとしたら、それは「本をより快適に読む」ために買うのだから、
それには「自分が読みたい本が、電子書籍で利用可能な形で今後出てくるか」というのが一番考えるところ。
データがなければ、数百ドルのただの板だもんね。
データ販売だと、当然現実世界に店舗をもつ本屋や、本の流通業者はお払い箱なので、反対するわな。
出版社も生命線を握られている本屋や流通業者に喧嘩売るわけにはいかんので、データ出版はなかなか踏み出しにくい。
ところがここにきて、一番の大口顧客であるamazonが、データで売ってくれといってきたら、
そりゃもう心置きなくデータ出版に移れる
ソニーの電子ブック (スコア:4, 参考になる)
ソニーの電子ブックなんか、ハードウェアメーカーと出版社や印刷会社、書店が協力して制作、販売してたんだけど、もう、古い話だから若い人や電子出版に興味のない人は知らなくても仕方がないかな。出版社はメディアにはそれほど拘っていないことが多い。一番抵抗するのは中小の印刷所。中小印刷所は設備や印刷工を抱えていて、すぐには電子メディアに対応できない。ご老体の著者も冊子に拘る人がいる。
また、現状では冊子が先に出版されるので、最終的なデータは組版をした印刷会社が持っている。OCRで読み込んでも良いんだけど、そこまでするくらいなら、素直に印刷会社を絡めても良い気がする。
それと、オンラインでデータだけ売れば安くなってお得、みたいに考えている方がいるみたいだけど、小説などの一人で書く文学ならともかく、雑誌や辞典・事典、一部の専門書は編集者などのスタッフの仕事量が多いので、同じ感覚の値段付けだと出版できなくなる。ネットだと淘汰が激しいから、マイナーな分野の出版物は人の目に触れずに消えていく可能性も高い。
Re: (スコア:0)
いや、だからソニーも松下も、もちろん出版側と協力してやろうとしたけど、積極的な協力を得られず、
結局貧相なライブラリーしか揃えられなかったんで失敗したんでしょ。
Re:ソニーの電子ブック (スコア:2)
少なくとも一部の版元はかなり積極的だったんじゃないですか。電子ブックやEPWINGの例であれば、岩波も三省堂も研究社も三修社も自由国民社も、海のものとも山のものとも付かない電子出版にかなりの初期投資をしているはずです。20年前のことですから、当然、メインフレーム上にオーサリングツールを構築して作業しているでしょうから。広辞苑の三版はたぶん、活字組みだから、新規に入力、校正しているでしょう。大辞林の初版は半分が活字組みだったかな。
(たぶん、日外アソシエーツは社内に蓄積されたテキストデータ処理のノウハウと、適度な割り切りで、他社より安価に作っていたと思う)
当初のタイトルの価格設定が高すぎたから売れなかったとも考えられますが、それでも、ほとんどの版元はなかなか初期投資が回収できず、苦労したはずです。
それと、ラインナップが貧相でしたか? 記憶では電子ブックは250~300タイトルくらい発行されていましたが。確かに独和はクラ独だけ、仏和はクラ仏だけ、イタリア語もないし、そういう意味ではさみしいのですが。
文学系だと、エキスパンドブックだった新潮社の、「新潮社の百冊」や「~の文豪」シリーズがありましたが、それ以降は続きませんでしたね。やはり、版元が期待するほどには買ってもらえなかったのでしょうね。
しかし、ハードウェアメーカーや、版元、印刷所の台所事情をちょっと考えると、よく頑張っていたと思いますが。作ったら目の前で売れていくというような状態じゃなかったのですから。
Re: (スコア:0)
数年間の販売期間の間、300タイトルしか提供されないと言う有様の、どこが豊富?
本屋に入って300冊しか本が無かったらどう思う?
その中に自分の欲しい本がどれだけ見つかると思う?
そのために数万円の端末に金を出す気になる?